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ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
「ゲシュタルトの祈り」
最近、周りに人間関係で悩み、苦しんでおられる方々に接すると、
つい「ゲシュタルトの祈り」を、ご紹介したいと思うことがあります。
もちろん、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが・・・。

悩 み、苦しむのは、「こうあらねばならない」という考え方が常に念頭にある方々に多いようです。自分がこうしているのだから、相手は当然自分に対してそうす るのが当然であるという思い、自分がやった分だけは相手も自分に返すべきである。また、それは人に否定されると落ち込む人に多いようにも思われます。

お互いに強制しない、また、干渉しない人間関係も、人間関係を正常に保つひとつの生き方です。そして、健全な人間関係にはある程度の距離感が必要なのではないでしょうか。

「ゲシュタルトの祈り」とは、ドイツの心理学者フレデリック・S・パールズ(1893~1970年)がローラ夫人と共に創設した「ゲシュタルト療法」で使われる「祈り」です。

すべてをあるがままに受け入れることが大切であり、ないものねだりをしないで、あり得ないものを追い続けない。すると新たな関係が生まれる。そのような人間関係から、さらに積極局的な人間関係が生まれる可能性もあるのではないでしょうか。

「ゲシュタルトの祈り」(原文はドイツ語ですが)は、こうです。

「私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
出会えなくても、それもまた素晴らしいこと。」


英語ではこうなります。

“I do my thing and you do your thing.
I am not in this world to live up to your expectations,
And you are not in this world to live up to mine.
You are you, and I am I, and if by chance we find each other, it's beautiful. If not, it can't be helped.”


ずばり、一言「私は私、あなたはあなたです(You are you, and I am I)。」

換言すれば、いつでも、どこでも、だれからでも、受け入れなければならないと思い込まないで、人に受け入れられなかったとしても、そこで、自己反省や自己懲罰に陥る必要は全くないのです。

ま してや、弱気にならないことです。自己中心的でもなく、依存的でもない、「心理的離乳」のできた人である ことを目指しなさい。そうすれば、あなたは、間違いなくどのような社会にも受け入れられ、その一員としてきっと位置付けられ、さらによい仕事や社会に対し てもさらなる貢献ができる人になると、考えます。

人を拒否・非難することにより自分の責任を回避する心理(投影)により、自己防衛しても意味はありません。そうすることは、かえって自己嫌悪に陥ってしまうのです。

人に否定されると落ち込みやすい人に、改めて、「ゲシュタルトの祈り」をお勧めします。きっと、肩の荷が下りると思います。

私も公私ともに、人間関係の壁にぶつかると、よくこの祈りを一人で復唱しています。すると再び元気になるのは不思議です。日本語で143文字、英語ではたった56ワードの持つ力をぜひ試してみてください。


(2014年4月、東京にて)
by joicfp_rio | 2014-04-04 16:33
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