ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
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母子保健法制定50周年:母のみならず女性の視点も忘れずに
1965年(昭和40年)に母子保健法が制定されてから早半世紀が経ちます。母子保健法は「母子保健大国」と言われる日本の重要な基礎をつくった基本法的な法律です。ご周知の通り50年の間に社会変化に伴い、母子保健事業も各市区町村へ順次移管され、それぞれ地域に根差した事業として発展してきています。

あわせて「健やか親子21」国民運動も、この4月から第2次計画となり、第1次計画の評価を踏まえて新たな10年計画がスタートしています。「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現を目指しています。世界的にはミレニアム開発目標が2015年で終了し、次期開発フレームワーク(枠組み)としての持続可能な開発目標(SDGs)が2015年9月の国連の特別総会で採択されることになっています。

最近の日本政府の動きは女性に優しい施策を多く立案してきており、女性の視点が強化されているように見えます。今後は「母親としての女性」もさることながら、「多様な人生を歩む女性」の視点をしっかりと持ち、女性の健康にさらに焦点を当てた施策や事業の展開が望まれます。思春期保健や包括的な性教育の充実、中高年層のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の保障、自然災害時の被災女性の健康など、幅広い柔軟な施策が期待されます。

また、これは日本のみならず途上国でも言えることですが、「コミュニティの絆」や「セーフティーネットとしてのコミュニティづくり」や再活性化が必要と考えられます。地域で行政と母親や子どもをつなぐ母子保健ボランティア(母子保健推進員や保健補導員等)の育成も重要な課題のひとつであると思います。

今年は関連団体が母子保健法制定50周年記念事業を計画していますが、私たちジョイセフも50周年の今年、改めて母子の健康や女性の健康を含めたリプロダクティブ・ヘルスへの普遍的アクセス保障の推進をさらに強化していきたいと思っています。

(2015年5月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2015-05-12 12:00 | ニュース
日本の総人口1億2708万人、減少止まらず、戦後生まれ8割超え
日本の超少子化超高齢化は続く
2015年4月17日総務省が発表した、2014年10月1日時点の人口推計によりますと、定住外国人を含む日本の総人口は2013年と比較すると0.17%の減少で、1億2708万3000人でした。自然減が過去最大の25万1000人に達しました。2014年の1年間の出生数は102万3000人と過去最低であり、一方では、1947(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれの、いわゆる「団塊の世代」の大きな人口群が65歳以上の高齢者層に入り、少子高齢化がさらに加速しています。15~64歳の生産年齢人口は116万人減少の7785万人。65歳以上の老年人口の割合は26.0%(4人に1人を超えました)、75歳以上の割合が12.5%で8人に1人となりました。これらの数値は、それぞれ過去最高でした。一方、社会増減では、入国者が出国者を3万6000人上回り、2年連続の社会増加となりました。依然として日本の超少子超高齢化現象は続きます。

戦後生まれが8割超
注目したいのが、2015年で戦後70年を迎える日本で、戦後生まれがついに8割を超えたということです。終戦後に誕生した日本国民が8割を超えたということの意味はしっかりと受け止めなければならないと考えます。戦争を全く知らない国民への戦争体験の継承が今こそ強く求められると考えます。

世界に冠たる平均寿命と健康寿命
2013年の出生時の平均余命(平均寿命)では、男性もついに80代(80.21歳)になり、世界で第4位となりました。また女性の平均寿命は86.61歳で引き続き世界第1位と、日本は世界に冠たる長寿大国となっています。長寿を全うしていることは、日本人として誠に誇れることです。しかし、健康寿命でみると、2013年の統計ですが、男性で71.19歳、女性で74.21歳と報告されており、何らかのケアが必要な期間がそれぞれ9.02年および12.4年ということになり、まだまだ、予防医学的な施策や健康教育サービスの強化が必要と考えられます。健康寿命の伸長は、まさに総合的なプロジェクトであると言いきれます。

世界が日本に期待すること
今後国際社会に対して、超少子化超高齢化社会の日本が生き抜くための知見が試されています。日本がどのように未来志向で少子高齢化社会を乗り切っていくのかを世界が見ていると考えます。さらなる日本発のイノベーションが待たれます。

(2015年5月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2015-05-11 12:00 | ニュース
日本のODA実績世界第5位、低迷つづく
2015年4月8日の経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の公表によると日本の2014年の政府開発援助(ODA)実績は、前年の世界第4位からさらに下がり世界第5位となりました。

円安の影響もありドルベースでの目減りもあったと推測できますが、日本のプレゼンスがさらに薄くなってきていると言えます。かつて金額の上で1980年代から1990年代において世界第1位までの実績を上げた時期もありました。国際社会に軍事力で貢献する国でないはずの日本のODAの落ち込みは世界的にどのように映るのでしょうか。

第1位は米国、その後英国、ドイツ、フランスと続きます。また、もうひとつの指標であるODAの国民総所得(GNI)比を0.7%にまで引き上げるという目標の達成もできていません。日本は0.19%でDAC加盟28カ国の中で下位グループの第18位であり、この指標達成もほど遠いものとなっています。

このことは、私たちのように国際協力分野で開発途上国の人々と接する者たちの実感として、日本に対する信頼度や国際的な地位に影響が出ていると感じるほどです。ODA額「が」問題ということに加えて、額「も」やはり重要な要素であると考えます。積極的平和主義や集団的防衛戦略の中にODAを含むという理念形成がされるような状況になってきており、人道主義から国益主義にさらに軸足が傾くような傾向には懸念を感じます。

ODAの落ち込みは、私どもの活動分野である人口問題への取り組みやリプロダクティブ・ヘルス/ライツの推進にもよい影響を与えていません。日本政府からの国連人口基金や国際家族計画連盟への任意拠出金の伸び悩みも、この影響によるところが大と考えます。ジョイセフの活動にも影響を感じる今日この頃です。

引き続き私たちは、開発途上国の支援協力を訴えるとともに、日本におけるさらなる政策提言やODA増額についてのキャンペーンを展開してまいります。
みなさまのご理解とご支援をよろしくお願いたします。

(2015年5月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2015-05-08 17:55 | ニュース


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