ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
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ポストMDGsを考える
2000年に設定されたミレニアム開発目標(MDGs)が、2年後の2015年には達成期限を迎えます。現在、次期開発目標である「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals : SDGs)が国連を中心に世界各地で検討されています。あわせてMDGsの実績評価が行われ、成果や課題も踏まえた上で次期開発目標が設定されることになっています。


5月30日に国連事務総長に提出された国連のハイレベルパネルの報告書では、今後、保健分野などは「包括的な」目標設定である「健康的な人生の保証(Ensure Healthy Lives)」に移行することを提案しています。


そして、その目標のもとに次のようなターゲットが提案されています。

 予防可能な乳児死亡及び5歳未満児の死亡の削減

 児童、思春期、リスクのある成人、高齢者への予防接種率の向上

 妊産婦死亡率の削減

 普遍的なセクシュアル・リプロダクティブヘルス・ライツの保障

 HIV/エイズ、結核、マラリア、見過ごされている熱帯病などの
  疾患の削減及び非感染症疾患の重視、などが検討されています。

妊娠や出産に関する死亡数が依然として年に28万7000人(2010年)と高く、さらなる改善が求められています。また、望まない妊娠による年間4160万件の人工妊娠中絶は減少傾向にあるものの、うち2000万件は安全でない中絶で、さらに中絶による死亡数が約4万人と、まだまだ大きな犠牲が払われています(2008年WHO)。望まない妊娠を予防するためにもリプロダクティブ・ヘルスのユニバーサル(普遍的な)アクセスが重要な目標の一つと考えます。
また、「ポスト2015」開発枠組みの保健分野では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)も議論されています。

乳幼児の栄養、思春期保健、そして、高齢化なども今後の課題となってきます。生活習慣病や人口高齢化は、かつては先進国の課題であると言われた時代がありましたが、今や地球規模的な共通課題となりつつあります。感染症から非感染症疾患へ。また多産多死から少産少死、そして高齢化社会へ。多くの開発途上国が急速にシフトしてきています。

しかし、MDGで15年間、事業や活動を実施したから、次の目標に変更するという考え方をとってもらいたくはありません。私たちの目標は常に「妊産婦死亡ゼロ」そして「乳児死亡ゼロ」であると考えているからです。

ジョイセフは世界中の人々が、リプロダクティブ・ヘルスの情報やサービスを希望すれば、いつでも、どこでも、誰でも得られる社会をつくるというビジョンをもち、それを実現するミッション(使命)を貫いています。

私たちジョイセフは、あらゆる開発目標達成のためには、常にリプロダクティブ・ヘルスの情報やサービスの継続こそが必須条件であることを訴えています。

今後2015年以降の国際的な開発目標が、国の思惑や国際機関の駆け引きにならない、一人ひとりの妊産婦や女性に寄り添った目標となることを期待しています。



(2013年9月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2013-09-13 14:37


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