ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
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ランドセル、アフガニスタンへ
2013年春のランドセル回収キャンペーン
ジョイセフは、アフガニスタンの子どもたちに、日本の子どもたちからのランドセルを2004年から贈り続けています。今年も「想い出のランドセルギフト」春のキャンペーンとして、全国から届いたランドセル約8000個を約70人のボランティア参加の皆さんと、横浜の倉庫で、まずはランドセルの状態を検品、また豚革のものを除き(イスラム教国のアフガニスタンには豚革のものは贈れないので)仕分けし、同じく贈られた学用品(ノート、鉛筆、クレヨン等)やろうそくなどを均等に入れて梱包しました。

検品の様子について詳しくはこちら
http://blog.excite.co.jp/joicfp/19886084/

半年かけてアフガニスタンの子どもたちに届きます
この後、横浜の倉庫から港に移送され、南シナ海を通り、インド洋を抜けて、パキスタンの港まで輸送されます。そこからは、陸路でパキスタンの国道を北へ進み、アフガニスタンの国境を越えます。そして、今回の目的地であるナンガハール州の子どもたちに、ジョイセフの現地パートナーであるアフガン医療連合センターによって一つ一つ丁寧に配られます。通常この行程にはこれから約6カ月間がかかります。

毎回、現地の子どもたちからは喜びの声が多く伝えられています。

6年間の思い出が詰まったランドセル
ランドセルは、アフガニスタンの子どもたちの、特に女子の就学率の向上に役だっています。タリバン政権時代は、女子の教育は禁止されていました。15歳以上の女性の約80%が読み書きできません。地域によっては、10代前半での結婚も多く、教育も受けられないまま、母親になるケースも多々あります。アフガニスタンはアジア地域でも妊産婦死亡率が非常に高く、そのひとつの原因が教育の機会に恵まれないことなのです。そして、ランドセルが学校へ行くためのきっかけづくりとなっています。

アフガニスタンの妊産婦死亡率は、「世界人口白書2012」でも日本の92倍あると報告されています(出生10万対460、日本は5)。

当日のご参加の皆さまに心より感謝申し上げます
4月20日(土)は、春にもかかわらず、非常に寒く、朝から曇天。昼過ぎからは冷たい雨が降り始め、終日止むことはありませんでした。検品を終え、アフガニスタンへ贈られることになったランドセルは7709個でした。これに、4月13日にすでに検品済みのランドセルと合わせて、1万4105個が、近々、アフガニスタンに向けて送られます。

当日、天候の悪い中ご参加いただきましたお一人お一人に心より感謝申し上げます。
春のランドセル回収期間は、お蔭さまで、無事終了しました。

秋にもランドセル回収キャンペーンを行います
秋のランドセル回収キャンペーンは、2013年9月1日~10月15日に行います。

「あなたのランドセルが、アフガニスタンで第2の人生を歩み出します!」
皆さまのご協力を引き続きお願いします。

※下記の画像をクリックすると、ランドセルギフトのチラシをご覧いただけます。
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(2013年4月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2013-04-30 14:32 | ニュース
3年振りのミャンマー (その3) ミャンマーの母子保健事業に協力して
私は、以前5年間ミャンマーの保健省に協力し、母子保健の推進に携わってきました。私が協力した国際協力機構(JICA)委託事業の「ミャンマー国地域展開型リプロダクティブ・ヘルス(RH)・プロジェクト(Healthy Mother Project)」は、2005年2月1日~2010年1月31日にわたって実施しました。

3年前に計画通りに終了したプロジェクトではありますが、終了後も、モデル地区の2つを含む全国の32タウンシップ(16の管区・州から2タウンシップずつ選抜)で、ミャンマー保健省母子保健課の指導のもとでプロジェクトの活動が継続されています。プロジェクトで導入した村の母子保健ボランティアとして活動する「母子保健推進員(Maternal and Child Health Promoter)」制度の運営です。

ミャンマーの母子保健推進員制度

プロジェクト地区であった北シャン州チャウメーおよびナウンチョー両タウンシップ(対象人口合計約30万7000人、世帯数合計5万1400世帯)における質の高いリプロダクティブ・ヘルス(RH)サービスの普及を目指して実施した活動の一環として、母子保健推進員(母推さん)が、30世帯に1名の割合で選抜され、地域の助産師と住民とりわけ妊産婦さんとの「橋渡し役」としての役割を担いました。活動内容としては、産前・産後健診への呼びかけや妊産婦さんへの情報提供などが中心です。
母子保健課によれば、現在、各タウンシップで約1000名ずつの母推さんが養成され、全国の32タウンシップで総勢約3万2000人の母推さんが活動しているとの報告です。
実は、この母子保健推進員制度は、2004年11月に、日本の和歌山県で母推さんの活動を視察したミャンマーの4人の保健省幹部職員の強い要望によって、私たちジョイセフがJICAと協力して導入したことがきっかけだったのです。
日本を訪れたうちの一人が、現在、保健副大臣を務めるティン・ティン・テーさん(医師・公衆衛生)です。当時の母子保健課長が、現在、ミャンマー国全体の母子保健を含む保健行政の総責任者の一人になっています。
今年の1月にお会いした時にも、彼女は、日本の母子保健推進制度をさらにミャンマーに根付かせたいと思っているし、日本からのさらなる協力をお願いしたいと、おっしゃっていました。
ミャンマーは、依然として多くの母子保健上の課題が残されています。たとえば、妊産婦死亡率は日本の約40倍、5歳未満児死亡率は同じく約19倍を示しています(世界人口白書2012)。
私たちジョイセフは、ミャンマーの妊産婦や女性のために何ができるのかを、今、真剣に話し合っています。

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(2013年4月、東京にて)


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写真① 北シャン州ナウンチョー・タウンシップの保健医療スタッフのみなさん。赤いロンジー(スカート)が助産師のみなさん(2枚とも、2012年3月ミャンマー母子保健課撮影)

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写真② チャウメーの母推さんたち、保健所の前で母子保健課長チームを囲んで
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by joicfp_rio | 2013-04-23 11:30
高齢化社会のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ IPPF加盟協会の役割を考えるワークショップ開催
3月11日~14日に、ジョイセフは、高齢化社会における国際家族計画連盟(IPPF)加盟協会(MA・メンバーズアソシエーション)の役割について考えるワークショップを、IPPFおよび日本家族計画協会との共催で開催しました。

周知の通り、日本をトップに、アジア諸国の高齢化はますます進行しています。多くの国々で高齢者の割合が大きな比率を占めるようになってきました。たとえば、60歳以上(国連統計では60歳以上を高齢者としています)の割合は、全人口比で2012年、日本が31.6%、韓国が16.7%、中国では13.3%となっていて、高齢化率は今後、さらに加速するものと予測されています。

「20世紀は人口爆発の世紀で、21世紀は人口高齢化の世紀である」と言われています。
西欧諸国を除けば、アジア地域がフロントランナーとなることは間違いありません。

そのような背景で、IPPFはリプロダクティブ・ヘルス/ライツ分野で活動するMAの高齢化社会における役割を明確にし、できるだけ早い時期に準備を開始することを推奨しています。今回のワークショップには、中国、韓国、香港、マレーシア、インドネシア、タイ、日本の7カ国のMAから理事長、事務局長等の責任者が参加しました。またIPPF地域事務局長も参加しました。

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このワークショップの目的は以下の通りでした、
  1. 高齢化社会と女性の健康支援をはじめとしたリプロダクティブ・ヘルス(RH)のニーズについての現状分析と将来展望を共有する。

  2. 日本のMAの取り組みや日本の官学民のグッドプラクティス(好事例)を共有する。

  3. 各国の少子高齢化社会のMAへの影響と参加MAの現行の取り組みやグッドプラクティスを共有する。

  4. 少子高齢化社会におけるMAの役割についての認識を共有し、今後の取り組みについて議論を深める。

参加各国は、今回のワークショップでは、高齢化社会におけるMAの役割について各国の状況を踏まえて意見交換を行い、その準備のためフロントランナーである日本の経験や教訓から学ぶことに集中しました。

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今回は、阿藤誠早稲田大学特任教授から世界と日本の高齢化の趨勢を含めた講義と引き続き、日本のMAである日本家族計画協会の取り組みについての報告があり、その経験が共有されました。また行政としては、新宿区四谷保健センターの女性健康支援事業や、学界としての東京女子医科大学附属女性健康生涯センターの活動なども見学しました。

将来的にはIPPFの現在の重点活動項目の5A(Adolescents:思春期保健の推進、Abortion:人工妊娠中絶の防止、Access:どこでもだれもがサービスを受けられること、Advocacy:啓発・提言活動、AIDS:STD及びHIV/エイズの予防)に、6番目の柱として、(Ageing:高齢化社会におけるリプロダクティブ・ヘルス/ライツ分野での取り組み)を加えた6Aにすることも視野に入れ、時代や個人のニーズにあわせたサービスや情報の提供などについて熱心に議論されました。

高齢化に関連するワークショップは、今後も引き続き、議論を深めるために必要であることが参加各国で確認され、今後も高齢化社会の経験国である日本から学びたいという希望が寄せられました。

(2013年4月、東京)

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by joicfp_rio | 2013-04-03 16:28 | ニュース


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