ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
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Think globally, act locally. Think locally, act globally
最近、私はこの言葉の重要さを再考しています。

とりわけ、国際的なアドボカシー(政策提言)活動や現場での国際協力活動をともに実施する者としては、「座右の銘」としておかなければならない基本的な考え方であると思っています。

私たちジョイセフは、開発途上国での地域に根差した母子保健活動を長年行ってきています。私自身もその役割を長年果たしてきているつもりです。それは、現場で知り得る地域や人々の状況や、改善しなければならない課題をもとに、その地域やそこに住む人々の生活や健康などのニーズに応える協力とは何かを考え、地域の人々とともに活動を計画し実行する(協働する)ことにあります。そして、それを実行に移した場合は、常に、地域の人々とともに、その活動をモニタリングし改善し、当初の目的を達成できるか否かを、ともに検証し、次のアクションにつなげていくという「計画→実施→モニタリング」活動の連鎖であると思っています。

また、私たちの役割は、でき得る限り、それを世界的なアドボカシー(政策提言)にまで持っていき、ローカルのニーズに応えるために、より良き戦略を組み立て、国際的な支援をさらに拡大していくというプロセスが続きます。現場の状況をどのように国際社会に伝えて、理解してもらうのか、また、どのようにしたら相応しい政策や支援ができるのか。また、そのためにどのようにしたら必要なリソースが獲得できるのかを、考えなければならないと思うのです。

当然、上から下への押し付けがあってはいけません。グローバルな考え方が常にローカルに相応しいとは限りません。あるいは、新しい価値観がその地域の人々によって受け入れられるためには、相当の時間をかけなければならないことも多いと思います。時間をかけることも私たちの使命なのです。とりわけ保健活動は意識や行動変容につながっており、時間を要するのです。

常に、私たちは、グローバルな視野で考えて、ローカルで行動する。ローカルで考えてグローバルに行動する。この両方からアプローチがなければならないと思います。現場からの声を具体的な政策にし、政策はまた現場からのフィードバックによりさらにより地域に根差した政策に改善されていかなければならないと思うのです。

また逆に言えば、ジョイセフのように、妊産婦や女性の命と健康を守る地域活動を行っているNGOだからこそグローバルとローカルの両方からのアプローチができるのではないかと信じています。アジアやアフリカの農村と国際社会を直結できる立場にジョイセフは常にいると考えます。

(2012年8月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2012-08-27 11:29
It’s a small world!(イッツ・ア・スモール・ワールド!)-ザンビアとケニアを訪れて-
8月の半ばに、久しぶりにアフリカを訪ねる機会を得ました。

目的は、ジョイセフがザンビアで実施している妊産婦支援プロジェクトのモニタリングと、ケニアでは国際家族計画連盟(IPPF)アフリカ地域事務局との会合でした。短い間でしたが、現地で多くの方々にお会いする機会を得ました。しかもその方々がジョイセフの長年の知己であったことから、世の中が「何と狭いことか」と感じた次第です。皆が、同じ分野で、多くの地域で活躍していることを知るにつけ、うれしく思うと同時に、国境を越えた人と人のつながりに感動すら覚えました。

プロジェクト地区で現在活躍している3人のIPPFザンビアの担当者は、ともに、ジョイセフがJICAと実施している研修の参加者で、日本の経験やノウハウをしっかりと学んでいます。彼らが日本の体験を踏まえて、ザンビアの村の母子保健推進員の育成を図っています。この村の母子保健推進員が、保健センターと地域の妊産婦をつなぐ「橋渡し役」としての活動をしているのです。日本の経験がザンビアのルサカから320キロ北のコッパーベルト州マサイティ郡でまさに現在進行形で活かされている事実に心を打たれました。

ザンビアの首都ルサカでお会いした国連人口基金(UNFPA)の事務所長が、かつてガーナでのプロジェクトで、当時IPPFガーナ事務局長としてパートナーであった方で、ジョイセフの20年来の友人であることが分かりました。表敬訪問のつもりでしたが、にわかに「同窓会」となってしまいました。

ケニアではIPPFの地域事務局で会った、地域事務局長とプログラムの責任者が2人ともかつてジョイセフがJICAと共に実施したアフリカ諸国対象のワークショップの参加者であったことにも、驚かされました。訪日時には、それぞれの国のNGOの代表としての参加でしたが、その後、10年を経て、ともにケニアの事務所でアフリカ地域全体を運営・管理する立場になっていました。

またケニアで会った日本人も、東京でJICA関係業務でご一緒した方々や、バングラデシュで共に語り合った青年海外協力隊員(JOCV)の方々が、それぞれ大使館、JICA事務所、国連機関などで活躍していました。さらにはジョイセフで一緒に働いていたかつての仲間にも会えました。

これらのうれしい再会に連日感動するとともに、まさに、“It's small world.”を感じる一週間となりました。同時に、自分たちは多くの方々に支えられているという実感と感謝を新たにいたしました。ジョイセフのネットワークや個人的なネットワークをこれからも大切にし、しっかりと経験共有や情報交換を深め、さらなる連携協力関係をつくっていければという気持ちをさらに強くもちました。お会いできた皆さまの活躍に敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。

(2012年8月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2012-08-27 11:28
ザンビアでは、今。
日本のちょうどお盆の一週間、ザンビアに行ってきました。

8月12日~18日に現地で140人の母子保健推進員(SMAG : Safe Motherhood Action Group)のみなさんとお会いでき、地域で保健センター(地域の保健施設)と妊産婦をつなぐ「橋渡し役」をしっかり担っていることを知ることができました。また、地域の母子保健の改善が一段と進んでいることを確認してきました。地域の母子保健推進員から新たなパワーをもらうこともできました。

ジョイセフとIPPFザンビア(ザンビア家族計画協会)と協働で行っているプロジェクト地区は、首都ルサカから北へ320キロ(車で4時間の道のり)、コッパーベルト州マサイティ郡フィワレ地区(フィワレ保健センター管内)で実施されています。施設分娩の奨励のためにマタニティハウス(保健センターの隣に建てられた出産待機ハウス)を昨年完成させ、いま、妊婦さんにフルに活用されています。

2週間前から30キロの遠方の自宅からこの施設にきて、他のピアである妊婦さんと共同生活を送りながら、出産を待つことができる。また、妊婦さん同士での経験共有や母子保健推進員による出産後の子育てや家族計画等の啓発教育などに大いに活用されているのをうれしく思いました。

この「農村地域の妊産婦支援プロジェクト(2011年~2013年)」は、ザンビアの中でも妊産婦の健康の改善の具体的な方法として、政府とNGOの連携協力の好事例として、注目されて、他地域へも多くの示唆を与えています。

ちょうどこの週は、ザンビアでは「安全な母性週間(Safe Motherhood Week)」に重なっていました。また、今年は、ザンビア家族計画協会(IPPFザンビア)の創立40周年(1972年~2012年)をお祝いし、記念行事も開かれるさなかでした。その関連もあり、ザンビアテレビ局からも取材があり、プロジェクト地区の母子保健推進員の活動やマタニティハウスの活動が紹介されました。

今後もさらなる活動の内容の充実と、他地域におけるマタニティハウスの建設にできる限り協力したいと思っています。

ジョイセフとザンビア家族計画協会(IPPFザンビア)は、1984年から28年間にわたり多岐にわたる協働事業を実施してきました。そして、今後も妊産婦や女性のための更なる支援を提供していきたいと思っています。


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140名の母子保健推進員が妊産婦の命と健康の大切さを歌と踊りに込めてくれました

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Tシャツには、「命を産み出すものが、そのために、命を落としてはならない」とプリントされています

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今回は、ザンビアテレビの収録も行われ、安全な母性週間の好事例として私たちのプロジェクトが紹介されました。インタビューを受けているのがエドフォード・ムトゥマ・IPPFザンビア事務局長

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保健センタースタッフ、母子保健推進員とIPPFザンビアの関係者


↓↓ ザンビアのプロジェクト紹介動画はこちら ↓↓




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by joicfp_rio | 2012-08-23 16:04
家族計画にもっと力を!
今年は1952年に発足した国際家族計画連盟(IPPF)の60周年記念の年です。IPPFは、今から60年前に、インドのボンベイ(現ムンバイ)で、世界の8人の「勇敢な、怒れる女性(brave and angry women)」たちによって設立されました。アメリカのマーガレット・サンガーさんとともに、日本の加藤シヅエさんが加わっておられたことを、私も日本人として常に誇りに思っています。

しかし、いまでもなお、家族計画のアンメット(未充足)ニーズが満たされていません。今年は、特にそこに焦点が当たっていることを、いまは亡きサンガーさんも加藤さんも、どのように思われるでしょうか。 現在、希望していながら、近代的避妊法にアクセスできない女性が2億2200万人いて、その多くが望まない妊娠を経験し、なお、中絶をしなければならない状況であるとしたら、そして、そのために命を落としていたとしたら、そう考えれば、パイオニアたちがコミットした使命は未だに終わっていないことになります。

家族計画という手段にいつでも、誰でもアクセスできるとしたら、これらの問題は解決できますし、それに社会的文化的問題を乗り越えて、すべての女性が「自己決定権」を持ち、子どもをいつ何人持つかを自らで決められて、女性は命を失わずにすむばかりか、社会生活における選択肢も広がり、あらゆる意味での機会も増えると言えます。さらには、女性がエンパワーできることにより、人類の半分である女性が、さらに社会に貢献できることの意義は大きいはずです。

少ない投資(家族計画のアクセスへの投資)で多くの成果を得られるということは、グッドマッハー研究所やUNFPA等のさまざまな調査研究で明らかになっています。家族計画は、女性の命を守り健康を増進し、社会的参加の機会を増やし、それは貧困削減にもつながって、さらに国の発展にも貢献すると言われています。これほどの小さな投資が産む成果は大きいのです。

これらを満たすことで、1年で、約5500万件の「意図しない妊娠」や、約12万件の妊産婦死亡を防ぐことができると試算されています。他にも、

  • 1年に2600万件の中絶が予防できる。これには1600万件の安全でない中絶が含まれる。

  • 2100万の計画外出産を防ぐことができる。

  • 700万件の流産を予防できる。

  • 110万人の乳児死亡を削減できる。



わたしたちジョイセフは、国連機関や国際機関、多くのNGOと共に、2012年を「家族計画の復権」の年にしようと努力しています。パイオニアの女性たちの意志を引き継ぐものとして、まだまだ緊張感を緩めるわけにはいきません。支援して下さる多くの皆さまと共に、世界の女性の健康とエンパワーメントのためにさらに尽力する所存です。

今年2012年はIPPF60周年、2013年は第5回アフリカ開発会議、2014年は国際人口開発会議(ICPD)から20周年の年、2015年はミレニアム開発目標15周年と、モメンタムは続きます。繰り返し、「家族計画の復権」を訴えてまいります。どうぞよろしくご支援ください。

(2012年8月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2012-08-20 16:45
自分の人生を他者と比較してはならない
私の人生論の中に「自分の人生は他者との比較ではなく、自らのものであり、自らが作っていくものである」という持論があります。
また、人生には、早いも遅いもないと思っています。
人生には、回り道もあれば坂道もありますから、一直線の道のりばかりではありません。人生は、「苦しい時」が、まさに「上り坂」であるとも信じています。

また、人生にとっては、まずは、本当に自分が「したいこと」や「すべきこと」が、明確になる、あるいは明確にすることが、大切なのではないでしょうか。

自分の人生を改めて考えてみましょう。
自分の「夢」をもう一度考えてみましょう。
そして、できたら、自分の夢を文書や絵にしてみましょう。
そして、何度もくりかえして、それを見て、できたら、読んでみましょう。

また、その夢の実現のために今日、明日、しなければならないことは何かも書き出してみましょう。すると、不思議なことにその夢が、徐々に実現可能な目標や具体的な活動計画に変わっていくのに気づくはずです。
それは、「夢」が「目標」そして具体的な「活動計画」に変わっていく瞬間です。

ある問答があります。
「世の中の勝利者はだれか」との問いに。
「力の強いもの」「富を得たもの」などいろいろな答えが出ましたが、
賢人は、こう答えました・・・。
勝利者とは、そのような者たちではない・・・。
真の勝利者は「最後に自分の夢にたどり着いた者であり、
また、その達成のために、最後まで、積極的に努力した者である」と。
たとえ達成できなくとも、努力やプロセスが重要なのであると私は信じています。

私は、実は「勝利者」という言葉は好きではありませんが、
「夢にたどり着いた者、またその努力を惜しまなかった者、積極的であった者」と理解しています。
そして、自分に夢や志があれば、人生は間違いなく「積極的なものになる」とも信じています。

自分は、他者と比較されるために、この世に生まれてきたのではありません。
そして、自分の人生は一度きりですから・・・。
だからこそ、今日という日をあしたにつなぐ大切な日として、生きていきたいと思っています。

(2012年8月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2012-08-20 16:42


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