ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
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東日本大震災から8カ月
2011年3月11日に発生した震災から8カ月が経ちました。
ジョイセフは震災直後から、被災地の皆さまへの支援活動を微力ながらも続けています。

ジョイセフスタッフ一丸となって、募金活動や支援協力企業への妊産婦、女性、赤ちゃんへの支援物資提供のお願いなどを、それぞれのネットワークを生かし、各持ち場で最善を尽くし行ってきました。その努力は今日まで続けられています。これはジョイセフのスタッフ一人ひとりが被災地の妊産婦や女性、赤ちゃんのために少しでもお役に立ちたいという強い動機づけが支えとなっています。国際協力NGOとして開発途上国の妊産婦と女性の命と健康を守る活動を長年行ってきているジョイセフをして、東日本大震災の被災地支援に強く駆り立てたのです。

ジョイセフは、世界の妊産婦の命を救う「ホワイトリボン運動」で連携し共に活動を行っている、国内でのネットワークをもつ(社)日本助産師会や(社)日本家族計画協会との連携協力により、震災直後から被災地支援を始めました。多くの賛同者の寄付金や企業からの継続的な物資支援などが、私たちの支援活動の心強い「後ろ楯」となりました。

支援物資の提供、産婦さんへの義援金(ケショ)の支給、被災地の助産師さんによる妊産婦さんへの産前産後ケアやカウンセリングそして避難所や家庭訪問活動などは被災された妊産婦、女性、赤ちゃんへの直接届く支援となっています。また市町村に対する母子健診用の資機材の支援も母子保健サービスの早い再開のきっかけになっています。さらには、被災地域での産婦さんへの「くつろぎの場所や時間」の提供活動も併せて行ってきました。これらの支援活動の実現は、皆さまのご協力の賜物です。改めて心よりお礼を申し上げます。

さて、8カ月が経った今でも、現地に伺う度に思うことは、まだまだしなければならないことが山積しているということです。しかし、一方で、私たちの「力不足」も感じるのも事実です。政府の復興支援や地方自治体の復旧復興活動がさらに大きく、力強く実施されることを心から祈るばかりです。

(2011年11月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2011-11-24 11:36 | ニュース
「戦略的パートナーシップ」:IPPFの新事務局長・テウォドロス・メレッセ氏提案
9月1日に、国際家族計画連盟(IPPF)の新事務局長に就任したばかりのテウォドロス・メレッセ氏が先日11月6日~11日の日程で来日し、日本政府、国会議員、NGO等の代表や女性のリーダーの方々と精力的に意見交換行いました。テウォドロス氏からは、日本政府も含めた関係国や関係機関との「戦略的パートナーシップ」の構築が提案されました。

「戦略的パートナーシップ」とは、組織や機関の規模や専門分野あるいは国を問わず、複数の国や機関が、それぞれ対等の立場で共通のミッション(使命)を果たすことを意味します。言い換えれば、それぞれが持てる力や専門性を最大限発揮し、同じ使命(この場合は、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの普遍的アクセスの達成)のために連携協力するということを目指しています。日本政府も含めた支援国や支援機関からは、技術のみならず資金の提供も重要な役割となります。

1994年の国際人口開発会議(ICPD)や2000年のミレニアム開発目標(MDGs)からそれぞれ長期間の実施期間を経て、いま新たなモメンタム(弾み)が必要となっています。絶好のタイミングでの彼からの提案は、多くの国々や機関へ影響を与えるとともに歓迎されています。家族計画やリプロダクティブ・ヘルス/ライツをけん引してきた主導的国際NGOであるIPPFが新たなリーダーシップをとり、国際的な戦略的パートナーシップを強化することの意味は大変意義のあるものです。

IPPFは来年2012年、その創立から60周年を迎えます。新たなリーダーシップを提示することにより、世界の女性が抱える健康やジェンダーなど、多くの課題への取り組みを強化していくべきであると考えます。ポストMDGs、ICPD+20の新アジェンダの設定など日本政府・国際機関・民間機関とのパートナーシップの強化等を図っていきたいと、メレッセ氏は強調しています。

日本の「人間の安全保障」戦略とIPPFの方向性は一致していますが、ここのところ長年減額が続いている政府開発援助(ODA)については新たな復権の期が寄せられています。IPPFのイニシアティブが、世界の女性や妊産婦のために連携協力するリプロダクティブ・ヘルスの運動の促進につながることをジョイセフとしても支援し、IPPFとともに共同歩調をとってまいります。

(2011年11月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2011-11-24 11:35 | ニュース
「70億人の世界」を考える

70億人の世界


今、国連加盟国は192カ国。その国連が、各国や地域の最新の人口統計や推計をもとに世界人口推計(2010年版)を今年(2011年)の5月13日に発表しました。それによると、この10月31日に世界人口が「70億人」になったという予測です。

私が、ジョイセフに入った時は、40億人という大台に乗って3年目でした。1974年に世界人口が40億人に達し、初めての人口に関する政府間会議である「世界人口会議」もこの年に開催されました。

その頃は、人口と食糧、資源、エネルギー、環境などとのバランスで、「人口が多すぎる」のではないかと、研究者、政治家、マスメディアなどが訴えていました。それから37年が経過した今、その人口増への警鐘のトーンは相当下がっているように思えてならないのです。これは私だけの実感なのでしょうか。

人口が70億人という時代に入り、いままさに人口に関連する様々な課題への取り組みが検証されなければならない「新たな時代」を迎えているのではないでしょうか。

日本は人口減少社会へ


世界人口は、1987年の50億、1999年に60億人、12年後の今年にはさらに10億人が増加することになります。世界の人口増加は今後も続き、国連人口部は2025年には80億人に、2083年には100億人を超えると予測しています。

一方、ご存知の通り、国単位でみると日本は2005年から、すでに「人口減少社会」に入っています。いわゆる「超少子化超高齢化社会」といわれています。ここに人口問題の複雑さが分かります。国ごとのとらえ方が異なるということです。よって192カ国ごとに見解の相違があるのではないでしょうか。

多面的な世界人口


世界の人口に関する諸問題はあらゆる意味で、「有限の地球」をもとにして考える出発点のようなものでした。私たちがそのころよく使った言葉では、「宇宙船地球号」でした。それは、われわれ一人ひとりが地球という宇宙船の乗組員であるという考え方でした。まさしくマクロを見つめミクロから考え、行動するというものでした。

そのような背景で、いま私たちがどのようなアクションができるのか。70億人のアクションが国連人口基金(UNFPA)を中心に世界的に提唱されています。しかし、、超少子化超高齢化の日本では残念ながらあまり浸透していないようにも思えます。

一人ひとりのできること


今日は、少し「ミクロ」から離れた視点でお話していますが、ジョイセフは一人ひとりの視点に立った「ミクロ」からのアプローチをとってきています。地球を支える192カ国(乗組員であり、国連では発言権を持っています)が、人類の将来をしっかりと考え行動することが必要なのではないかと思います。まさに世界的なビジョンやそれを推進する政治力とリーダーシップを、改めて各国のリーダーに求めたいと思います。

日本のリーダーには、国際社会の主導的一員として、自国の問題や課題のみに拘泥するのではなく地球を単位としたリーダーシップを発揮していただきたいと思っています。

いま、70億人を迎えた人類にとって記念すべき年に、私たちは改めて、「宇宙船地球号」と乗組員である国のリーダーの責任、また一人ひとりの乗組員のできることを、考えてみるべきではないでしょうか。

(2011年11月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2011-11-24 11:34 | ニュース


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