ジョイセフ事務局長 鈴木良一によるコラム
途上国の女性のリプロダクティブヘルスの現状
私たちジョイセフは、途上国の女性のリプロダクティブヘルス(RH)を推進するというミッション(使命)をもって、地域に根差した支援活動を実施しています。私たちは、途上国の女性たちの特に「4つの現状」を訴えています。

1.妊産婦の現状:


毎日1000人近くの女性が妊娠や出産が原因で命を落としています。世界の年間の妊産婦死亡が35万8000人。うち99%が開発途上国で起こっています。それも多くが救えるはずの命でした。近くに病院や診療所がなかったため、医師や助産師もいなかったため、また医療施設や技能を持った医療従事者がいたとしても、自宅からそこまで遠くて間に合わなかったためなどのさまざまな原因があります。また母親が亡くなると子どもたちの生命や生活も、最も身近な保護者を失うため、深刻な危険が及ぶことがわかっています。

2.女性のRHの権利が守られていない現状:


途上国においては女性が性交渉や避妊に関して自分で決められないことが多く、毎年約8000万人が望まない妊娠をしています。すべての子どもは「望まれる子ども」であってほしいものです。さらには、性的搾取、人身売買、性暴力、女性性器切除など深刻な問題が山積しています。女性は男性の同意なしでは外出もできないところもあります。自分が何人子どもを産むかを決めることができない女性が多数います。

3.思春期の少女のRHの現状:


途上国では思春期(10歳から19歳)の少女たちは「初経」を迎えると、結婚適齢期として結婚させられ、若くして妊娠・出産というケースも多くあります。成熟していない身体で、妊娠出産がくり返される結果、命を落とす女性が後を絶ちません。また早婚は教育を受ける機会を失わせたり、中途退学するケースも多くあります。男性に比べて女性の就学期間が短くなり、結果、女性の社会参加も思うように進みません。思春期の女性たちは、正しい避妊の知識もないまま望まない妊娠をし、非合法で安全でない中絶を受け、それが原因で死亡するケースも多く報告されています。国によりますが、妊産婦死亡率の約13%が安全でない中絶(WHO推計2009)によるものであると報告されています。


4.HIV/エイズの現状:


世界では、年間に推定3330万人がHIVに新規感染しています(UNAIDS 2010)。その66%がサハラ以南のアフリカ地域で起こっています。同地域では新生児の3人に1人の母子感染も報告されています。ザンビアでは、若い女性(15~24歳)のHIV感染率は男性の2.1倍(UNAIDS 2010)で、妊婦健診に来て、初めてHIV感染を知らされる女性が絶えません。そして、それは主に夫からの感染です。女性にとって、結婚がHIV感染のリスクになるということです。このような途上国の妊産婦、女性および若者のRHの現状をしっかりと受け止めて、ジョイセフは地域に合った、地域の求める活動を地域の人々とともに行っています。

引き続きお力添えをお願いいたします。

(2012年2月、東京にて)
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by joicfp_rio | 2012-02-27 12:25
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